沖縄県の保育士の平均給料は?他県・エリア別比較や補助金と移住者手当まで

待機児童数がかつてはワースト1位で、今もワースト5位以内には入っているのが沖縄県です。

そんな沖縄県の保育士の給料は他の都道府県と比べて、給料はどのくらいなのか?

補助金や各園の待遇はどうなのか?

今回はそのことについてお話ししていきます。

沖縄県の保育士の給料相場とは?

さて、まずは、日本全国他の地域と比較した場合の、沖縄県の保育士の給料相場について見ていきましょう。

全国平均との比較【正社員/アルバイト・パート/派遣社員】

まずは、保育士の給料が他の職種の給料に比べてどうなのか?

という観点でみていくと、保育士の平均年収は約314万円は、日本の全職種での平均年収約436万円に比べると、低くなっているのが正直なところです。

ただし、日本の平均年収には、大企業の役員であったり、医者やパイロットなど、いわゆる「上級」の人の年収も含まれていることも考えると、さほど悲観する数字でもないのかもしれません。

さて、続いては、日本各地域の、保育士の平均年収を見て行きましょう。

沖縄県が含まれる九州地方の平均年収は、全国平均や各地域の平均からすると、低くなっているのが実状です。

地域 正社員の年収 パート/アルバイトの時給 派遣社員の時給
関東 312万円 1,055円 1,352円
東海 298万円 989円 1,244円
関西 296万円 993円 1,258円
甲信越・北陸 279万円 962円 1,121円
中国 276万円 936円 1,181円
九州 274万円 916円 1,182円
四国 270万円 924円 1,151円
北海道・東北 264万円 920円 1,159円

(表1)各地域の保育士の平均年収

参照保育士の仕事の年収・時給・給料/求人ボックス 給料ナビ

沖縄県内でも給料が違う?保育士の給料が良い市区町村はどこ?

さて、続いては、沖縄県内の各市町村で保育士の給料を比較してみましょう。

単純に「県平均」といっても、市町村ごとに見て行くと、差がついています。

以下は、沖縄県でも特に保育士の給料が高いとされる地域です。

年収よりも生活水準をリアルに思い描ける月収ベースで比較しています。

就職するなら、少しでも収入のよいところへ!

そんな気持ちは誰しもお持ちだと思いますので、ぜひこの表を参考にされてください。

市町村 平均月収
糸満市 20万7,403円
宮古島市 20万1,680円
中頭郡 北谷町 20万283円
島尻郡 南風原町 19万6,333円
浦添市 19万3,609円
那覇市 19万2,445円
中頭郡 中城村 19万1,637円
宜野湾市 19万201円

表2)沖縄県地域別平均月収表

参照沖縄県で保育士の給与が最も高い地域/indeed

エリアにより給料に差が出る理由は?

さて、上記の表を見ただけでも、同じ沖縄県内でも地域によって収入に差があることがお分かりいただけたかと思います。

それではなぜこんなにも、エリアにより給料に差がつくのでしょうか。

・保育士が少なく、必要とされている

・ある地域だけ労働がきつくなりがち
(山がちな地域、1人の保育士が面倒を見る子どもの数が多い、居住地から園までが遠い)

・市町村が保育士の給料を上げるために取り組んでいる

・そもそも、保育士に限らず、その地域全体で労働人口が不足している

・その市町村の財政状況

など一概には言えませんが、おおよそ上記のような理由があるでしょう。

あくまでも平均なので、平均月収が低い市町村のなかでも、他の園より給料が高い所もありますし、給料が他より低くても、福利厚生がしっかりしていて手当が多くでる所もあります。

沖縄県内の多くの保育園・こども園を掲載してますので下記サイトを参考にしてみて下さい!

参考サイト沖縄リゾート保育

沖縄県の待機児童数は?

待機児童数は、言ってみれば「保育士市場における需要過多の程度」を表しています。

気になる沖縄県の待機児童数について、地域ごとに見ていきましょう。

まず、沖縄県全体の待機児童数から。

令和3年度における、沖縄県全体の待機児童数は564人です。

待機児童が最も多かった頃とされる平成27年の2,591人から毎年着実に減り続け、今では当時の1/5程度まで減ってきています。

しかも、沖縄県は過去10年人口は増え続けていて、保育に対するニーズも増え続ける中での待機児童数減少ですから、沖縄県や各市町村がかなり力を入れた結果だと言えるでしょう。

次に、市町村ごとの待機児童数は以下の通りです。

令和3年度の待機児童数が多い順に記載しています。

市町村(地域) 令和3年度の待機児童数
八重瀬町 80人
豊見城市 76人
名護市 65人
西原町 48人
沖縄市 46人
南城市 45人
南風原町 40人

表3)市町村別 令和3年度 待機児童数

参照令和3年4月1日時点における沖縄県の待機児童数(速報値)について

沖縄県の保育士に対する補助金や支援

冒頭で見てきたように、沖縄県の保育士の給料水準は決して高くなく、年収面だけで見たときには、沖縄県の保育士の労働条件は決して良いとは言えません。

しかし、「沖縄県の保育士は、他の地域の保育士よりも優遇されている・恵まれている」といえる要素があります。

それが、沖縄県あるいは各市町村による、保育士への補助金や支援です。

ここではその内容について、詳しく見ていきましょう。

保育士修学資金貸付制度

まず初めにご紹介するのは、「保育士修学資金貸付制度」という制度です。

この制度は、福祉の充実を目的として、2015年の国の補正予算があてがわれた制度です。

沖縄県に限らず、日本全国、各都道府県が主体となって貸付を行っています。

沖縄県における保育士修学資金貸付制度の内容は下記の通りとなっています。

対象者

次の要件すべてに当てはまる人

  • 沖縄県内の保育士養成施設の指定学科に在学している人
  • 保育士養成施設を卒業後、1年以内に保育士登録を行い、沖縄県内等の指定された施設等において保育士の業務に従事しようとする人
  • 優秀な学生であって、かつ、家庭の経済状況等から貸付が必要と認められる人
  • 他から本貸付と同種の貸付を受けていない人

貸付内容・金額

  • 修学費:月額5万円以内〔総額120万円以内〕
  • 入学準備金:20万円以内
  • 就職準備金:20万円以内

参照保育士養成施設に在学している方

未就学児を持つ潜在保育士に対する保育料の一部貸付制度

続いては、小さなお子様をお持ちの保育士の方向けの支援制度です。

やはり、小さな子どもがいると、それだけ養育や教育にお金がかかってくるので、その負担を少しでも軽減しよう、という制度です。

対象者

以下のいずれかの要件を満たし、保育士として週20時間以上勤務する人。

・未就学児を持つ保育士であって、次のア~セの施設等に新たに勤務する人。

ア.保育所(認可)
イ.預かり保育を常時実施する幼稚園(預かり保育の時間で週20時間以上勤務)
ウ.認定こども園へ移行予定の幼稚園
エ.幼保連携型認定こども園
オ.エ以外の認定こども園
カ.家庭的保育事業
キ.小規模保育事業
ク.居宅訪問型保育事業
ケ.事業所内保育事業
コ.病児保育事業(届出を行った者)
サ.一時預かり事業(届出を行った者)
シ.離島その他の地域において特例保育を実施する施設
ス.認可外保育施設のうち地方公共団体における単独施策で保育を行っている施設
セ.企業主導型保育事業

・上記にあげた施設等に雇用されている未就学児を持つ保育士であって、産後休暇または育児休業から復帰する人。

貸付内容・金額

保育料の半額(月額2万7,000円を上限に、最大1年間。無利子)

※該当する施設で2年間、保育士として勤務した場合は償還免除

参照未就学児を持つ保育士に対する保育料の一部貸付制度

沖縄市保育士復職応援!!(お祝い金)

さらに、沖縄県で保育士として復職すると、“お祝い金”の支給があります。

家族や親せき間でも、「就職祝い」はあっても、「復職祝い」というものはなかなかありません。それを地方自治体からもらえるのは、おそらく沖縄県で保育士として復職される方だけでしょう。

支援内容は下記の通りです。

対象者

保育士資格を持っていながら、1年以上保育士として勤務していなかった人で、沖縄市内の認可保育施設へ保育士として復職する人。

貸付内容・金額

対象者全員、一律10万円給付

参照沖縄市保育士復職応援!!(お祝い金)

潜在保育士に対する補助金や支援

沖縄県で補助金や支援の対象となっているのは、現役の保育士だけではありません。

保育士の資格をもっていながら、今現在は保育士として働いていない方、つまり、これから保育士になる可能性を秘めている「潜在保育士」に対する補助金や支援も充実しています。

ここでは、そんな潜在保育士に対する補助金や支援の例をご紹介します。

潜在保育士の就職支援を図るための就職準備金貸付制度

次の内容で支援が行われています。

対象者

次の全ての要件を満たす人。

・保育士として週20時間以上勤務すること

・次のア~カの施設等を離職した人又は勤務経験がない人

ア.保育所(認可)
イ.幼保連携型認定こども園
ウ.家庭的保育事業
エ.小規模保育事業
オ.事業所内保育事業
カ.幼稚園

(2)次のア~セの施設等に新たに就職する人。

ア.保育所(認可)
イ.預かり保育を常時実施する幼稚園(預かり保育の時間で週20時間以上勤務)
ウ.認定こども園へ移行予定の幼稚園
エ.幼保連携型認定こども園
オ.エ以外の認定こども園
カ.家庭的保育事業
キ.小規模保育事業
ク.居宅訪問型保育事業
ケ.事業所内保育事業
コ.病児保育事業(届出を行った者)
サ.一時預かり事業(届出を行ったもの)
シ.離島その他の地域において特例保育を実施する施設
ス.認可外保育施設のうち地方公共団体における単独施策で保育を行っている施設
セ.企業主導型保育事業

貸付内容・金額

1人1回限り、40万円以内(無利子)

※対象の施設・事業所で保育士として2年間勤務すると返還免除。

参照「潜在保育士」の就職支援を図るための就職準備金貸付制度

沖縄県外から移住して働く場合の補助金・支援も豊富!

ここまでご紹介してきた支援制度は、沖縄「県内」の保育士が対象でしたが、沖縄県では、県外から移住して就職する保育士に対する支援制度を整えています。

支援内容を簡単に取り上げると、下記の通りです。

補助金名 対象(概要のみ) 支援内容
県外保育士誘致支援事業 保育士資格を持ち、県外から移住して県内の保育施設等で勤務する人 渡航費や引っ越し費用を負担

最大支援金額は、2人以上世帯であれば40万円、単身世帯であれば30万円

県外在住の保育士への
渡航費等の支援
各市町村により様々 各市町村により様々

他にも、各市町村でも補助金制度がありますので、詳しくは下記の記事をご覧ください。

参照沖縄県に保育士が移住して働くメリットとは!?

他にも園独自の手当も!

今まで、保育士の給料の平均や、補助金などお伝えしてきました。

それだけではなく、沖縄県の保育園・こども園ではそれぞれの園で「住宅手当」「奨学金返済手当」などの手当がでる園もあります。

詳しくは下記の沖縄リゾート保育のサイトを是非ご覧ください。

参照沖縄リゾート保育

まとめ

以上、沖縄県の保育士の経済事情を細かにご紹介してきました。

沖縄県は他県に比べると、保育士に限らずあらゆる職種において、給与水準が低いです。

これは否定できない事実ではありますが、その分、ありとあらゆる補助金が充実しています。

専門家に相談するなどして自身に最適な転職先・復職先を見つけ、補助金や支援制度を最大限活用すれば、経済的な不安はかなり軽減されるはずです。

経済的な不安が解消すれば、あとは、他県に比べて子どもを自由に育てようとする雰囲気や、すでにいろいろな都道府県から転職してきた人たちの様々な考え方に触れながら、勤務することができます。

地域的な結びつきが強く、人間関係も濃厚な沖縄県で、豊かな自然に囲まれながら、ストレスの少ない、快適な保育士生活を送られてみてはいかがでしょうか。

皆さまとお仕事ご一緒できることを心待ちにしております!

沖縄で保育士の仕事をお考えの方は下記よりお気軽にご相談下さい!